2013年6月29日公開の映画「真夏の方程式」をさっそく観てきました。
多少のネタバレを含むので,ご覧になってない方はご注意を。
ガリレオシリーズは好きで,全部読破している僕。
長編ものは特におもしろく,ハズレ無し!!と個人的には思います。
特に「容疑者xの献身」は原作,映画版ともに良作で,今回の「真夏の
方程式」も公開日を楽しみにしていました。
では,見終えた感想を。
1.キャスト陣
素晴らしかったと思います。川畑成美 : 杏
川畑重春 : 前田吟
川畑節子 : 風吹ジュン
仙波英俊 : 白竜
柄崎恭平 : 山崎光
川畑成美役の杏は原作のイメージにぴったり。
前田吟,白竜はさすがの貫禄でいぶし銀の演技。
ホスピスでの白竜演じる仙波と湯川との邂逅シーンや
終盤の前田吟演じる川畑重治と湯川の面会シーンはグッときます。
恭平役もいい感じです。原作のイメージよりも子供っぽさが強調された
演出になっているかな。
2.ストーリー
原作との相違点,削られているシーンや人物が結構あります。尺の関係もあるので仕方がないと思うんですが,気になった点をいくつか。
(1)湯川と恭平が出会うシーン
恭平が湯川のクロスワードパズルを手伝うシーンがカットされています。
子供嫌いの湯川が子供に助けられる,以後の二人の交流に繋がる場面だと
思うんですが。
また,湯川が緑岩荘に泊まることなる過程もカット。映画版では最初から
緑岩荘に予約を入れているような描写に。
(2)環境保護活動家のリーダー,沢村が完全なモブ役に
原作では事件の片棒を担ぐ役回りです。
映画版では彼の手を借りず,川畑夫妻ががんばって死体を処理した,という
ことに。
(3)岸谷刑事が玻璃々浦に乗り込んでくる,仙波があっさり発見される
原作では電話でのやりとりのみで,岸谷(原作では内海薫)は玻璃々浦を訪れ
ません。
よって,情報のやりとりに苦労する,という部分はカット。湯川のケータイ
も壊れません。ネットでお互いの顔を見ながら連絡し合います。
(4)仙波と塚原の間の描写がカット
塚原が苦労して仙波を見つけ出し,知り合いのツテでホスピスに自腹で入院
させている,という部分がまるまるカット。
(5)湯川と恭平の別れのシーン
湯川が「科学の限界について」恭平に語るシーンがありません。
この話を踏まえて,「どんな問題にも必ず答えはある」→「でもすぐに答え
が導きだせるとは限らない」→「焦る必要はない」→「君は一人ぼっちじゃ
ない」の流れが自然になると思います。
3.総評
良作だと思います。僕は原作を読んでから観たので,前述したような相違点が気になっちゃいました
が,映画版を先に観た方には大した問題ではないかもしれません。
前作の「容疑者xの献身」もそうですが,TVドラマ「ガリレオ」の劇場版では
なく,「真夏の方程式」の映画化,といったつくりになっているところが良い。
湯川と恭平とのふれあい,ペットボトルロケットの実験シーンはほっこりした
気持ちになります。
ただ,個人的な好みもありますが,僕は原作,映画ともに「容疑者xの献身」の
方が好きかな。
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